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18)経済原理が招い生活習慣が関わる生活習慣病 「医食同源」の食生活改善を |
病気の増加と日本の生活習慣
●増え続ける生活習慣病 生活習慣病といわれる病気が増え続けています。以前、脳卒中や心臓病、がん、糖尿病などの病気は成人病と呼ばれ、年を重ねるとともに発症し進行する割合が高くなると考えられていました。
しかし、これらの病気は日頃の食生活や喫煙、飲酒など個人の生活習慣の因子が深く関わっていることが明らかになってきました。
ご存じの方も多いと思いますが、食習慣に注意すれば糖尿病(成人型)、肥満(先進諸国では最近、肥満は病気であるという受け取り方が趨勢を占めるようになってきました)、高脂血症、高尿酸血症、循環器病、大腸がん、歯周病などの発症率は低くなりますし、日頃の運動で糖尿病(成人型)、肥満、高脂血症、高血圧にもなりにくくなります。禁煙で肺扁平上皮がん、慢性気管支炎、肺気腫、循環器病、歯周病などの発症率はかなり低下します。飲酒を適度にひかえることで、アルコール性肝疾患なども防げます。
●三大生活習慣病 三大生活習慣病といわれるがん、心臓病、脳卒中、これだけでも年間約60万人の方々が亡くなっています。
大変な死者数です。大規模な戦争でも、毎年これだけの死者を出すほどの戦争はめったにありません。毎日、三大生活習慣病と戦争をしているような状態なのですが、困ったことに当事者の私たちに危機感はまったくありません。年間一万人前後の死者しかいない(?)交通事故でさえ、年中全国規模で安全運動が行なわれているのに、生活習慣病と闘う運動(?)はほとんど知られていません。
なんらかの原因で、自宅の浴室で亡くなる人の数は交通事故死者数の2倍以上。処方される薬の副作用で年間3万人以上の方々が亡くなっているという推計もありますが、残念ながら因果関係は見えません。私たち人間は視覚から受けるショックや報道される出来事には敏感で大騒ぎをしますが、多くの場合、理数的に物事の優先順位を判断し、行動することができないのです。つまりヒトは見えない大きな危険より、見えるものに反応しやすいのです。他の生き物には本能的直感で身の安全をはかる能力がありますが、ヒトはつまづいた拍子に骨折したり、ちょっと考れば変なことでさえ気づきもしないのです。危険度とヒトの反応は正比例していないのです。しかし、問題が命に関わってくる場合は放置できません。
三大生活習慣病の中でダントツの一位はがん。年間約30万人の方々ががんで亡くなっています。男性のがんの三分の一、女性のがんの二分の一は、食べ物が原因と推定されています。ゆえに毎日の食の安全は重要で、何が入っているのかわからないようなものを平気で食べるわけにはいきませんが、現実は材料・原料を知らずに食べています。その他、喫煙、過労や睡眠不足、ストレス、運動不足もガンの引き金といわれています。
国立がんセンターの資料によれば、がんを防ぐための十二か条として、・バランスのとれた栄養を摂る・毎日変化のある食生活を送る・食べすぎを避け、脂肪は控えめにする・お酒は適量に・タバコはやめる・食べ物から適量のビタミンと繊維質を摂る・塩辛いものは少なめに・熱いものは冷ましてから・焦げた部分は避ける・カビの生えたものに注意・日光に当たりすぎない・適度に運動をする・からだを清潔に保つ。とありますが、これに加え、見えない重要なことは枯葉剤ほか農薬、防腐剤、殺菌剤、防カビ剤、漂白剤、着色料、発色剤、ゲル化剤、糊料、増粘剤、安定剤、合成甘味料、合成酸味料などの入った食べ物には注意すべきでしょう。他の三大生活習慣病である心臓病(狭心症や心筋梗塞)も冠動脈の動脈硬化が主な原因ですし、脳卒中も脳の血管の障害が主な原因。
大切な体の組織を作り出したり、維持する源は毎日の食です。生活習慣病と闘うために、一番先に食を見直すべきです。中国には古くから「医食同源」と言う言葉がありますが、生活習慣病と闘う基本は、今も「医食同源」なのです。
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